【23春闘】全労連、経労委報告について談話

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2023年春闘の資本側指針である経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)が経団連から発表されたことを受けて、全国労働組合総連合(全労連)は談話を発表しました。物価上昇分を上回るベア、格差縮小、全国一律最賃1500円などを訴えました(以下全文)。

1月17日、経団連は経営側の23春闘の指針となる「2023年版経営労働政策特別委員会報告」(以下、経労委報告)を発表した。

■物価上昇分を上回らなければ「企業の社会的責務」が果たされたとはいえない

 報告では、「物価動向を特に重視しながら、社会的責務としての賃上げのモメンタムの維持・強化に向けた積極的な対応を求める」とした。その上で、デフレマインドの払拭と「賃金と物価の好循環」を形成する必要があると強調している。
 長きにわたり「春闘解体」をもくろみ、生産性や人事評価の導入で労働者の要求を押さえつけてきた反省もなく、物価上昇によって苦しむ国民の声に押され、ようやく賃金引き上げに対する容認姿勢を示したに過ぎない。国際的な実質賃金の比較では、日本だけが大幅に下がり続けてきた。実質賃金を引き上げるには、物価上昇分を大幅に上回るベースアップがなければならないことは当然であり、賃上げの事実だけでごまかされるわけにはいかない。

■格差の縮小、非正規・女性労働者の人権まもる日本全体の賃金引き上げを

 報告では、「人への投資」を通じて賃金引き上げの気運をさらに醸成し、「構造的な賃金引き上げ」や「分厚い中間層の形成」につなげることが望まれると訴えている。
 一方で賃金体系は、大企業を中心に年功型賃金からジョブ型雇用や人事評価による個別賃金に変質させられており、企業内外での賃金格差が拡大している。「分厚い中間層の形成」を語るのであれば、格差を縮小すべきだ。
 また男女の賃金格差では、依然として大きな格差が存在しており、ジェンダー平等の進展は不十分といわざるを得ない。女性労働者の役員比率の向上や後継を輩出するしくみだけでなく、働き方に問題があるのではないか。企業利益のためでなく、「人権」を守る視点がなければジェンダーギャップの解消にはつながらない。

■有期雇用などの労働者の雇用安定こそが必要

 日本型雇用システムを見直し、円滑な労働移動の推進が必要として、労働者の主体性を強調しているが、企業による一方的な人事権によって労働者の生活を圧迫し、離職を余儀なくさせている現実から目を背けているといわざるを得ない。解雇の金銭解決制度の創設をはじめ、権利保護の視点が欠けているだけでなく、労働者の自発性を強制しており、労働法制に関する主張に同意することはできない。

■最低賃金近傍で働く労働者の生活実態をふまえ全国一律1,500円実現を

 最低賃金について「報告」は、引上額の決定方法、引き上げの時期や税制との関係についての言及を行っている。しかし、報告は「賃金支払能力」を強く主張し、最低賃金が生計費と大幅に乖離している実態を省みていない。最低賃金近傍で働く労働者が拡大したのは、大企業や行政が経費削減として下請単価を切り下げ、非正規雇用を拡大してきたことにある。
 最低賃金は全国一律、1,500円を早期に実現することこそ求められているとともに、賃金引き上げを理由とした下請単価の引き上げなど、中小企業との公正取引の実現を求める。

■内部留保を還元し大企業の社会的責任を果たすよう求める

 コロナ禍でも大企業の内部留保は増え続け、「505兆円」に達している。報告では、TOPICSとして「内部留保のあり方」を述べ、「非常時の備えとして、現金・預金を厚めに保有しておく必要がある」と正当化している。飽くなき溜め込みが、日本経済を窮地に追い込んでいることへの反省がない。しかし、中小業者や労働者の苦しみを前にして、公正取引の実現や賃金引き上げなどで社会的な批判に応えざるを得ない状況に追い込まれている。
 全労連は、23国民春闘で大幅な賃金引上げ・底上げ、均等待遇や最低賃金の全国一律1500円などの実現で、格差をなくし、8時間働けば誰もが人間らしくくらせる公正な社会への転換を求める。地域経済の活性化と合わせ、その実現のために、内部留保を還元し大企業の社会的責任を果たすよう強く求める。

http://www.zenroren.gr.jp/jp/opinion/2023/opinion230119_01.html

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