「ルネサンス研究所・関西」は、1月21日(土)に定例研究会として「陣地戦の新しい理論」をオンラインで開催します。
陣地戦の古い理論は、グラムシの著作が翻訳された1960年代初頭に、当時の構造改革派によって日本に導入されたものです。
グラムシの理論そのものは、ロシアと違い西洋では市民社会が発達し、資本や国家がそこに要塞を築いていて、プロレタリアートの権力奪取の階級闘争がロシア革命のようには実現できず、市民社会で形成されている資本と国家の要塞を奪い返す闘いが必要だというものでした。
構造改革派が導入した陣地戦の理論は、これとは違って、当時、日本では市民社会は実現されていないという歴史認識があったために、市民社会での陣地戦によって市民社会を作り出す、というものでした。あとは、当時の野党にとって、生協などの支持基盤を陣地として位置づけるというとらえ方もありました。この場合は階級闘争の主力部隊があり、それを支える陣地という意味くらいでした。
陣地戦の新しい理論とは、私が昨年10月頃に気づいたもので、『季報唯物論研究』誌に寄稿した「階級闘争の理論から陣地戦の理論へ」が最初の定式化でした。それは、現代における階級闘争は、資本や国家に対する抗いとして、日常的に闘われており、この抗いは、階級闘争の理論では認識できず、現実の抗いに即した理論を新しく作り出す必要があるという提起でした。それを陣地戦のあたらしい理論と表現しています。
今回は、この寄稿論文以降に判明してきた陣地戦のあたらしい理論について報告します。
『季報唯物論研究』寄稿論文は次で読めます。
1月21日(土) 13:00~17:00 参加希望者は同研究所へ(yougattamove●gmail.com)