【資料】V・I・レーニン「批判の自由と行動の統一」(1906年)

レーニン

批判の自由と行動の統一

 ロシア社会民主労働党中央委員会の署名入りの、つぎのようなリーフレットが編集局にとどいた。


「若干の党組織によって、党大会の諸決定にたいする批判の自由の範囲の﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅問題が提起されているので、中央委員会は、ロシア・プロレタリアートの利益は、ロシア社会民主労働党の戦術における最大の統一をつねに必要としてきたこと、わが党の個々の部分の政治的行動のこの統一﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅は、いまはいつにもまして必要であることを考慮して、つぎのように考える。
(一) 党の新聞雑誌および党の集会では、自分の個人的な意見を述べ、自分の独自の見解を擁護する完全な自由﹅﹅﹅﹅﹅が全党員にあたえられなければならない。
(二) 大衆的な政治集会では、党員は、大会の諸決定に反する煽動﹅﹅を行ってはならない。
(三) 党員はだれも、そのような﹅﹅﹅﹅﹅集会では、大会の決定に矛盾する行動をよびかけたり﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅、大会の決定と一致しない決議を提案したりしてはならない」(傍点はすべて引用者)【ママ】

 この決議を本質的に検討すると、われわれは、このなかに奇妙なことがたくさんあるのを見いだす。決議は、 「党の集会では」個人的意見と批判の「完全な自由」がゆるされる(第一項)が、「大衆的な集会」(第二項)では「党員はだれも、大会の決議に矛盾する行動をよびかけてはならない」〔第三項〕【ママ】と、言っている。これが、いったい、どういうことになるのか、考えてもみたまえ。党の集会では、党員は、大会の決定に矛盾する行動をよびかける権利があり﹅﹅﹅﹅﹅、大衆的な集会では、「個人的意見を述べる」完全な自由が「あたえられ」ない﹅﹅、とは‼
 決議の作成者たちは、党内の批判の自由﹅﹅﹅﹅﹅と党の行動の統一﹅﹅﹅﹅﹅との相互関係の理解をまったく誤ったのである。党綱領の諸原則﹅﹅﹅の範囲内での批判は、党の集会だけではなく、大衆的な集会においても、完全に自由でなければならない(たとえば、ロシア社会民主労働党第二回大会における、このことについてのプレハーノフの演説を思いだしてみよう)。このような批判あるいはこのような「煽動」(というのは、批判と煽動とを区別することはできないから)を禁止することは不可能である。党の政治的行動は、統一されていなければならない。特定の行動の統一をやぶる「呼びかけ」は、どのようなものであっても、大衆的な集会でも党の集会でも、党の出版物でもゆるされない。
 中央委員会が、批判の自由を不正確に、あまりにもせまく規定し、行動の統一を、不正確に、あまりにも広く規定したことは、明らかである。
 一例をとってみよう。大会は、国会選挙に参加することを決定した。選挙は完全に特定の行動である。選挙のときに(たとえば、こんにちのバクーで)選挙に参加するな﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅という呼びかけをすることは、どんなものでもどこでも﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅党には絶対にゆるされない。この時には、選挙についての決定の「批判」もゆるされない。なぜなら、それは、実際には、選挙煽動の成功を傷つけるだろうからである。反対に、選挙が、まだ公示されていないようなときには﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅、選挙に参加するという決定を批判すること﹅﹅﹅﹅﹅﹅は、どこでも党員にはゆるされる。もちろん、この原則の実践への適用は、これまたときとすると、争論と誤解をひきおこすだろう、【ママ】だがほかならぬ﹅﹅﹅﹅﹅この原則にもとづいてのみ﹅﹅あらゆる﹅﹅﹅﹅争論とあらゆる疑惑が、党にとって名誉となるように解決されうるのである。だがこの中央委員会の決議は、なにかゆるしがたい事態をつくりだしている。
 中央委員会の決議は、本質的には誤ってもいるし、党規約に違反してもいる﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅。民主主義的中央集権主義と地方機関の自治の原則は、特定の行動﹅﹅﹅﹅﹅の統一がやぶられないかぎり、まさにいたるところで完全に批判の自由﹅﹅﹅﹅﹅があることを意味しているし、――また党が決定した行動の統一﹅﹅を破壊したり、困難にしたりするどのような﹅﹅﹅﹅﹅批判もゆるされないということを意味するのである。
 われわれは、党の出版物と党の諸組織で、まえもってなんの討議もしないで、このような重要な問題についての決議を出したことは、中央委員会の大きな誤りである、と考える。このような討議は、中央委員会が、われわれによって指摘されたような誤りを避けるのに、役だったであろう。
 われわれは、中央委員会のこの決議をいま討議し、それにたいする自分の態度をはっきり表明するよう、すべての党組織によびかける。


『ヴォルナー』第二二号、一九〇六年五月二十日

レーニン全集第10巻 マルクス=レーニン主義研究所訳 大月書店 1955年
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