【Change.org】Xデーは2023年3月31日! 雇い止めによる日本の頭脳の流出を防ぐための緊急署名

雇い止めによる日本の頭脳の流出を防ぐための緊急署名

全国労働組合総連合(全労連)は、理研や産総研をはじめとする国立研究機関・大学の非正規雇用研究者の雇止めに関連して、ウェブ署名「Xデーは2023年3月31日! あなたのひと押しで #雇い止めによる日本の頭脳の流出を防ぐための緊急署名」を呼びかけています。

みなさんは2023年3月31日、この日本で一体何が起きようとしているのか、知っていますか?

 実はその日、「日本の頭脳」ともいえる第一線で活躍する研究者たちが、そして、それにあわせて大学の教職員までもが、大量に「雇い止め」されて「流出」してしまう可能性があるのです。一体なぜ、そんなことが起きてしまうのでしょうか? 

 研究者が研究に携わる職場として、理化学研究所(理研)や、産業技術総合研究所(産総研)、大学の研究室などがあります。

 大学の研究室ならば、なんとなく、どんなものなのか想像できるのではないかと思いますが、「理研」や「産総研」とは、一体どんな組織なのでしょうか。 

 理研のホームページには、「日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めています」との記載があります。まさに幅広い分野で、日本の研究の最先端をいく、最大級の規模を誇る研究所だといえるでしょう(https://www.riken.jp/about/)。また、産総研も同じように大きな組織です (https://www.aist.go.jp/) 。

 こうした研究に携わる非正規雇用の研究者や、また、大学の教職員のみなさんが、2023年3月31日に大量に「雇い止め」されようとしています。

 その数はなんと!国立の大学・研究機関だけで全国で約4500人にものぼるのです(!)私立の大学を加えれば、その数はさらに跳ね上がるでしょう。

「でも非正規雇用の研究者なら、そんな重要な研究は任されてないんじゃないの?」

と思われるのは、無理もないことかもしれません。しかし、実に驚くべきことに、理研においては、なんと、全体の8割弱が非正規雇用の研究者なのです(!!)。

 ある研究プロジェクトのチームリーダー(非正規雇用!!!)の方は、Xデーを前にして、すでに外資系企業へ転職をされています。その方にお話を伺うと、「研究を続けられなくなることは非常に残念だ」と述べています。外部から資金を得ている優秀な研究者ですら、研究を続けたいのに雇い止めのために続けられなくなり、外資系企業に転職せざるを得ない。これを「日本の頭脳の流出」と言わずして、なんと言えばいいのでしょうか?

 そして理研や産総研だけではなく、東北大や大阪大のような国立大学、東海大学のような私立大学の研究者や教職員も、同じようにXデーに雇い止めされ、職場を去らざるを得ない状況に追い込まれています。

 すでに日本の研究者が海外流出しているという報道(https://onl.sc/wVhuZ98) や、日本の注目度の高い論文の数が低下しているという報道 (https://onl.sc/fThjYT1) がされています。

 こうした人たちを雇い止めにするということは、当然ながら、日本の研究力のさらなる停滞・低下を招き、ひいては国力・国益を今まで以上に大きく損なうことになります。

 政府も研究機関も大学も、このような問題に対策を講じるどころか、さらに傷口を広げるようなことを、一体なぜしようとしているのでしょうか?

 研究者の育成には時間がかかります。しっかり「研究の成果」を求めるのであれば、経験を積んで、さあこれから!という研究者をどんどん雇い止めにしていては、これほど非効率的なことはありません。それなのに、なぜそれをやるのかといえば、「いまのところ人件費には困ってはいないけれど、将来が不安だからクビにしてしまおう」ということなのです。つまり、

とりあえず目先の人件費削減したい    地道な研究の継続

という、まるでリストラにご執心の経営者のような「経営方針」が浮かび上がってきます。

 なぜこんな方針をとるかといえば、答えは簡単です。政府が、理研や産総研や国立大学のための研究開発費を、十分に確保していないからです(https://onl.sc/Wk3Cv1e) 。

 政府は「新しい資本主義」において、「人への投資」や「技術・研究開発の基盤強化」を謳いながら、その一方で、予算を渋って雇い止めを招き、その結果、研究の足をひっぱっていると言えます。

 こんなことでは、これまでに投じた研究費をドブに捨てるも同然ではないでしょうか? 目先の人件費削減に熱心なあまり、研究成果は消失し、ノウハウは流出し、そして、これから研究者や教職員になろうという若者の夢や目標までも壊してしまう。あらかじめ雇い止めされると分かっていて、一体だれが研究者や教職員を目指すというのでしょうか? 現実に博士号取得者の数は、減少の一途を辿っています (https://onl.sc/C8CrGwu) 。政府は日本の研究力を高めるために、研究者が地道にコツコツと研究を続けられる環境を整備しなければなりません。もはや時間の余裕はないのです。

 現在の法律には「無期転換ルール」というものがあり、有期雇用(期間の定めのある契約)で通算5年(研究者等は特例により10年)以上働くと、本人の申し出により、無期雇用(期間の定めのない契約)に契約を変更することができます。

 しかし、それを避けるために、「5年10年になる前に、雇い止めしてしまえ」という経営者が後を絶ちません。そして、今回多くの研究者や教職員にとっての5年目10年目にあたるXデーが、2023年3月31日なのです。現に東海大学は、10~20年と勤務した非常勤講師のみなさんをXデー限りで雇い止めする通知を出しています。このような雇い止めは、法律の趣旨に反することであり、絶対に止めなければなりません。

 私たちはこうした事態を重く見て、これまでにシンポジウムや院内集会を開催し、当事者の声をメディアに乗せて、政府や世論に訴えてきました。

 そんな中、11月7日、文科省がある重要な通達を出しました。それは、研究機関や大学に対して、「無期転換ルールを避けるために、10年を前に雇止めや契約期間中の解雇等を行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではない」という内容だったのです。文科省は研究機関や大学に対して、たいへん大きな影響力を持っています。どれだけ交渉を重ねても首を縦に振らなかった大学ですが、この通達を受けて、雇い止めを撤回するというところが出始めています。今、事態は大きく動き始めています! 

しかしこの通達で、理研が発表した新しい人事制度を「雇用状況の改善に向けた取り組み例」として紹介しているのは問題です。この点は別途追及していきます (https://onl.sc/5Hz2Rhw) 。

 あの誰もが知っている東京大学は、「有期雇用による労働契約を締結している者に対し、契約更新について一律の上限を設けていない」としています。東京大学も他の大学も、この方針をきちんと実行すべきでしょう。法律の趣旨もそのことを裏付けています。あとは、それをやると「決断」し、「実行」するだけなのです。私たちは、以下のことを政府に求めたいと思います。

1.国公私立の大学・研究機関におけるXデー(2023年3月31日)の研究者・教職員の大量雇い止めを中止させること。

2.雇い止めの危機にさらされている約4500人(国立大学・研究機関だけでも)の雇用の状況を把握し、万が一、雇用契約が終了する場合には、政府の責任で次の職の選択肢を提示すること。

3.こうした問題の再発防止のため、研究者の安定した雇用の保障と、流動性の確保を両立させる、新しい雇用のあり方を検討すること。その際、政府、労働者、使用者の三者が対等の立場で議論すること。

 なにも「特別高い給料を払え!」と要求しているわけではありません。「ものすごい待遇」を求めているわけでもありません。「今まで携わってきた研究や仕事に引き続き携わりたい」、ただそれだけなのです。

 国力・国益という面から考えても、労働者の権利を守るという面から考えても、これは右も左も関係ない問題です。文科省の通達という、強力な追い風も吹いています。いまこそ、あなたの署名によるひと押しで、この問題の解決に力を貸してください。そして、より多くの署名を集めるために、この署名のTwitterなどのSNSでの拡散にご協力ください。宜しくお願い致します。

https://www.change.org/p/x%E3%83%87%E3%83%BC%E3%81%AF2023%E5%B9%B43%E6%9C%8831%E6%97%A5-%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%B2%E3%81%A8%E6%8A%BC%E3%81%97%E3%81%A7-%E9%9B%87%E3%81%84%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%A0%AD%E8%84%B3%E3%81%AE%E6%B5%81%E5%87%BA%E3%82%92%E9%98%B2%E3%81%90%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E7%B7%8A%E6%80%A5%E7%BD%B2%E5%90%8D

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