フィリピンにおいて2人の労働組合活動家が令状なしに逮捕されたことをきっかけに、同国の複数の団体が労働者の権利擁護への攻撃を終わらせるための国際連帯を呼びかけています。
呼びかけているのはアジア太平洋・女性・法・開発フォーラム(Asia Pacific Forum on Women, Law and Development; APWLD)、キルサン・マヨ・ウノ(Kilusang Mayo Uno; KMU、フィリピンのナショナルセンター)、労働組合と人権センター(Center for Trade Union and Human Rights; CTUHR)、労働権擁護ネットワーク(Labor Rights Defenders Network; LARD)の4団体。
呼びかけ団体の声明によると、2022年10月10日に2人の労働運動家、KMUの国際担当書記であるカラ・タガオアと交通労組の地方指導者ラリー・バルブエナがケソン市地方裁判所に令状なしに逮捕されたといいます(その後保釈)。フィリピンでは、ドゥテルテ前大統領が公然と労働組合活動家への攻撃を公言し、テロ対策や赤狩り(red-tagging)の名目で弾圧を加え、マルコス新大統領下にあってもその状況は変わっていません。人権団体カラパンタン(Karapatan)によると、同国内では少なくとも800人の政治犯が拘束され、また、ダンディー・ミゲル(Dandy Miguel)のように、政府組織により労働運動指導者が超法規的に殺害される事態にまでなっているといいます。
呼びかけ団体は、フィリピンにおける労働運動への弾圧、政治犯摘発を取り下げ、ILO87号条約(結社の自由及び団結権)・98号条約(団結権及び団体交渉権)の保護のために国際社会が連帯することを呼びかけています。