ラテンアメリカの連帯経済は民衆の力を実証している

 連帯主義的な原理原則は理論的には素晴らしいと言えますが、その実際についてはどうなのでしょうか? 特に、歴史的な権利剥奪に直面しているコミュニティにおいて、相互主義や協同組合主義は、より公平で持続可能な経済や社会を作るための構成要素として機能することができるでしょうか。 

 ラテンアメリカのコミュニティでは、資源や資本、集団の福利との関係を再構築することが可能であることを(連帯原則の革新的な適用を通じて)証明しており、その過程で持続可能で人々を中心としたシステムを構築しています。 

ハイチにおける協同組合方式のカカオ産業

 ハイチは、何世紀にもわたる帝国主義的な搾取により、経済的・政治的に不安定な状態が長く続いてきた歴史があります。近年では、ハイチ北部を拠点とするカカオ協同組合の連合体「フェッカーノ」が地元農家の希望の光となり、生態系の持続可能性と農家の利益を優先させた活発な交流ネットワークを構築しています。 

 現在までに4,000以上の農家が参加するまでに成長し、発酵カカオを輸出するハイチ初の企業・農民組合となりました。

持続可能なエネルギーの民主化を推進するプエルトリコの人々

ハリケーン「マリア」と「フィオナ」による被害を受けて、プエルトリコのエネルギーインフラの脆弱性がクローズアップされ ました。プエルトリコの民営化されたエネルギー供給会社であるルーマ・エナジーは、長年にわたる事業売却と不適切な管理によって、多くの人々を災害時の保護から遠ざけてきました。

 災害後、電力を回復するための市民の集団的な対応が、コミュニティベースのエネルギー回復力を示す運動に火をつけ、カサ・プエブロやACESAなど多くのグループが、化石燃料による電力に代わるものとして太陽光発電を支持するようになりました。

サパティスタがメキシコで食糧主権を呼びかけ 

 サパティスタは、メキシコ南東部を拠点とする先住民の革命的グループです。25年以上の活動実績があり、全国規模で政治的・社会的影響力を確立しています。先住民の権利、自治、生存を守ることを主な目的として活動しています。

 彼らの取り組みの中でも特に重要なのは、コミュニティ内で食糧主権を確立するための闘いです。これは、大規模な工業的食糧生産から脱却し、地域社会に根ざした農業開発を支持することを組織することを意味します。

ウルグアイの協同組合は、住宅に関する正義のために再現可能なモデルを提供

 FUCVAM(Federación Uruguaya de Cooperativas de Vivienda por Ayuda Mutua、ウルグアイの共済住宅協同組合連合)は、モンテビデオに拠点を置く共済住宅協同組合の連合体です。FUCVAMは、住宅と都市インフラの共同開発を中心に、住宅不安に対処するアプローチをとっており、これが成功し、持続可能なモデルであることが証明されています。

 アルゼンチン最大かつ最古の住宅共同組合として、FUCVAMの成功は、ラテンアメリカの15カ国以上で、そのモデルを地域に適応させることにつながりました。

健康と経済の危機に立ち向かうアルゼンチンの協同組合

 2001年のアルゼンチン金融危機の後、国中の労働者がエンプレッサス・レキュペラダス(労働者の支配下に入ることで倒産から回復した企業)の支配権を得るために結集し、産業分野にまたがる協同組合所有企業のネットワークを確立しました。2014年頃にブエノスアイレス・オキュパイ運動が始まると、より公正な経済への推進力がさらに高まりました。

 コロナ危機の発生時、経済的・集団的医療に対する従来の資本主義的アプローチの失敗が露呈したとき、協同組合の回復力と適応力は、経済と健康の回復に不可欠な道筋を提供しました。アルゼンチン初の実験的企業であるFarmacoopは、地元で安価な治療法の生産に不可欠であり、アルゼンチン初の新型コロナ抗体検査も開発しました。

ラテンアメリカの連帯経済についてもっと知る 

このリストは、運動や組織のほんの一部でしかありません。ラテンアメリカ全域で、コミュニティが連帯の原則を利用して、制度的な問題や不公平に対処するコミュニティ特有の解決策を作り上げている例が多くあります。

 ラテンアメリカの連帯経済の包括的なリストについては、New Economy Coalitionのパートナーによって編集されたリソースガイドを参照してください。このトピックをさらに詳しく知たい方は、バージニア大学の学生が作成した10部構成のポッドキャスト/ビデオシリーズ「Solidarity Economy in Latin America」をご覧ください。

This article is republished from Shareable under CC BY-ND 4.0 Int.

Image: Brian Zbriger, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

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